読むだけで運転が出来るのようになる運転教本
運動神経が全然なくて、運転センスもない〝さやちゃん〟が〝ぱんだ先生〟に突っ込まれながら運転練習をしていくうちに、自動車の運転が出来るようになっていく奮闘記です!運動神経がなくても、交通知識があれば安全運転ができるようになる!
第1話 運転できるようにしたるからな!
『なんで怒られてばっかりなんだろう。』
自動車教習所の技能教習を終えて、教習所の校舎を出たさやちゃん。
彼女は、今、技能教習第1段階の外周コースを回るところでつまずいている。
技能教習が始まって数回、まだ外周コースを走ることしかしていない。
『今日も、先生にめっちゃブレーキ踏まれたな。』
ため息を吐きながらつぶやいていた。
『運転センスがないのかな…どんくさいもんな…はぁ~』
そんな事を言いながら夕日に照らされた横断歩道を渡って家に帰った。
翌日、私は目覚まし時計のチクタクと同時に目を覚ました。
窓の外は新しい朝の光が差し込んでおり、鳥たちのさえずりが心地よく響いていた。
朝の準備をすませ、さやちゃんはいつものように郵便受けをのぞいた。しかし今朝は違った。郵便受けの中に、見慣れない封筒が一通横たわっていた。
その封筒は緑色で、表面には繊細な金の模様が描かれていた。
なにより特徴的だったのは、封筒からふわりと漂う〝笹の香り〟。
さやちゃんの心はその香りに引かれ、不思議な力に導かれるように封筒を手に取った。
封筒を開くと、中からは美しい筆跡で書かれた招待状が現れた。
「親愛なるさやちゃんへ、
交通安全の精霊が住む、自動車教習所への扉が開かれました。
あなたの冒険の始まり、そして運命の出会いを心よりお待ちしています。
笹の香りの先には、未来への鍵があります。 さあ、勇気を持って一歩踏み出してください。
ぱんだ先生より」
物凄くあやしい文面なのに、なぜか招待状の言葉は私の心をくすぐった。
そしてどこかしら懐かしく感じる笹の香り。
興奮と期待で胸がいっぱいになった。
【自動車教習所への招待】
そう、思った瞬間、目の前に大きな門が現れた。
どこか神秘的で、未知の世界へと導くかのようにそびえ立っている。
私は手にした招待状を握りしめ、門をくぐった。
この不思議な出会いが何をもたらすのか、期待と夢で満ちていた。
すると目の前に、パンダが現れた。
『よー来たな、ワシが運転出来るようにしたるから心配せんでええ。』
と、パンダが言った。
パンダは私のの目を見つめ、こちらへと手招きした。その目は知恵に満ち、まるで千年もの時を生きてきたかのような深みがあった。
「ワシは、ぱんだ先生や!交通安全の精霊してんねん。」
なんで関西弁なんだろう、と思ったが、ぱんだ先生の声は穏やかで、私の心に染み入るようだった。なんだか懐かしい声。
「ここは特別な場所なんやで、交通の安全が学べる世界やねん。さやちゃんには昔、世話になってるからな。ワシがちゃんと面倒をみなあかん使命を感じるんねんな。」
私は驚きと興奮で言葉を失った。この小さなパンダが、自分に世話になったと言うのだ。
「さあ、さやちゃん。冒険の始まりやで。一緒に運転の世界へと足を踏み入れるでー。」
ぱんだ先生の手には、好物である笹が握られていた。その笹は光り輝いており、魔法のような力を感じさせた。
私は、大きくうなずき、第一歩を踏み出した。さやちゃんとぱんだ先生の特別な絆が結ばれた始まりだった。