熊猫教習所物語

熊猫教習所物語 第2話 『運転っていうのは車に乗る前から始まってるねん!』

読むだけで運転が出来るのようになる運転教本

運動神経が全然なくて、運転センスもない主人公の〝さやちゃん〟が交通安全の精霊〝ぱんだ先生〟に突っ込まれながら運転練習をしていくうちに、自動車の運転が出来るようになっていく奮闘記です!運動神経がなくても、ちゃんと基本があれば安全運転ができるようになる!

前回のお話

第2話 運転っていうのは車に乗る前から始まってるねん

『自分、ホンマに運転センスないねんな!』

と、ぱんだ先生が言った。

『あのー、まだ何もしてないんですけど。』

と、私は言った。そうなのだ、まだ何もしていないのだ。ぱんだ先生に手招きをされて教習車の運転席に乗っただけなのだ。

『あのな、運転っていうのは車に乗る前から始まってるねん。』

と、ぱんだ先生がため息まじりに言った。

『わたし、何か悪いことしました?運転席に座っただけですけど?』

私は言った。

『あのな、車の運転席に座ると言うことは、これから何をするっていうことなんや?』

ぱんだ先生がすごくかわいい顔をしてこっちを見た

「やば、かわいい」と思ったが、口に出すのはやめといた。

『これから運転するってことですよね。だってここは、自動車教習所でしょ!』

と私は言った。

『そうや、わかってるやないか、それで?』

『それでって何ですか?』

『マジか、自分!それやから、運転センスないねん。』

と、ぱんだ先生が言った。私はなんだか腹が立ってきた。

『運転センスない、ないって、運転席に座っただけで、何がわかるって言うんですか!!』

と、私は少し大きな声を出してしまった。

『ま、今日は1回目やからな。しゃーないか。』

とぱんだ先生が助手席から降りて車の前に立った。

『よー、見ときや!』

と言ってぱんだ先生がしゃがんだ。

『消えた!』

私は、車から降りて車の前の様子を見に行った

ぱんだ先生は車の前にしゃがんでいた。

『ぱんだ先生、何してるんですか?いじけてるんですか?』

と私は言った。するとぱんだ先生が、

『さやちゃん、マジか!ここまでしても気づかんのか?』

言った。

私のまだ、頭の中が???でいっぱいだった。

『じゃあ、特別ヒントやで。』

と、ぱんだ先生はしゃがんだまま前を見た。

『ワシ、このままでおるからもう一回運転席座って前見るんやで!』

と、ぱんだ先生は言った。

『はい』

と、私は返答をし、運転席に座って前を見た。すると

ぱんだ先生の耳が少し見えた。

『あっ!』

私は、気づいた。

『ぱんだ先生、わかりました。運転席に座る前にしなきゃいけないことありました。』

と、私は車から降りてぱんだ先生に言った。

ぱんだ先生は

『遅いわ!はよ気づかんかい!』

と、ヨッコラショ!と立ち上がりながら言った。

私は興奮気味にぱんだ先生に言った。

『車には死角があるから、車を発進させる前には確認しなきゃいけないって教習所で習いました!』

『その通りや!車には、死角と言って車体などにより見えなくなってしまう部分が多い乗り物なんやな。自転車と比べてみるとよくわかるわな。全然違うわな。これがわかってるかわかってないかで運転が全然違うんやで。』

とぱんだ先生は言った。

『そうですね。』

私は、うなずきながら答えた。

『これから絶対に約束や!運転席に座る前には必ず車のまわりの安全確認をしてから運転席に座ること。運転席に座ってからじゃ遅いんやで。あとな、3歳までの子供がこの死角部分に入ってしまって死んでしまうって言うかわいそうな事故もいっぱい起こってるねん。しかもな、事故を起こしたんが親やったりするんや。』

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『これも合わせて読んどいてや!』

とぱんだ先生は言った。

『そんな悲しい事故が起こっているんですね。知らなかったです。』

私は言った。

『これから気をつけていったらええんや!ほんなら、しっかり安全確認して車に乗ってや!』

とぱんだ先生は言った。

私は、車のまわりをぐるりと1周回ってから運転席のドアを開けて車に乗ったのであった。

お話し続き

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