読むだけで運転が出来るのようになる運転教本
運動神経が全然なくて、運転センスもない〝さやちゃん〟が〝ぱんだ先生〟に突っ込まれながら運転練習をしていくうちに、自動車の運転が出来るようになっていく奮闘記です!運動神経がなくても、ちゃんと基本が出来ていれば安全運転ができるようになる!
第4話 車の動く仕組みをしっとこ!
『シートにはぴったりとでしたよね!』
私はぱんだ先生に言った。
『そうや!お尻も腰も隙間なくぴったりとくっつけるんやで。手のひらさえ入らんぐらいしっかり深く座りや!』
とぱんだ先生は言った。
私はしっかりと深くシートに腰掛けた。
『次はシートの前後位置やな。足元にあるペダル見えるか?』
とぱんだ先生が言った。私は足元を覗き込んだ。
『はい見えます!』
『一番右側にあるのが、アクセルペダルや。エンジンの回転を上げるペダルやな。ほんで、真ん中にあるのがブレーキペダルや。これを踏むとタイヤの回転を止めるんや。』
とぱんだ先生は言ったが、ちょっとよくわからなかった。
『エンジンの回転をあげるってどういうことですか?』
と私はぱんだ先生に質問をした。
『おっ、さやちゃん、良い質問やな。そうやってわからんことはそのままにせんと、ちゃんと聞いた方がええんや。だからめっちゃいい質問やで。』
とぱんだ先生は褒めてくれた。ただ質問をしただけなのに褒めてもらってうれしい気持ちになった。ぱんだ先生は続けた。
『この車は、オートマチック車っていう車やねん。今の世の中のほとんどはこのオートマチック車ってやつや。ちょっとだけ難しいかもしれんけど、この車がどうやって動いてるか知ってる方がいいから、話していくで。』
ぱんだ先生はまず、自転車の動く仕組みについて話してくれた。
『自転車の動く仕組みを簡単に説明するわな。
自転車のペダルを漕ぐやん。
漕いだら、その力がチェーンに伝わってチェーンを動かすやん
ほんで、チェーンが後輪タイヤに伝えて、タイヤが動く
これは、わかるよな!』
とぱんだ先生は言った。
『さすがの私でもこれは理解できます。』
『それはよかった。これをこの車に置き換えてみるで!』
『車の場合、エンジンがあって羽が2つあって、タイヤがあるねん。エンジンが、自転車でいうところの漕ぐやな。羽がチェーンで、タイヤは一緒やわ。ここまではわかるか?』
ぱんだ先生がこっちを見た。
『なんとか、ついていってます。』
私は、答えた。
『よっしゃ!羽は、エンジン側の羽とタイヤ側の羽があるんや。』
『羽ですか?』
と私は聞いた。
『そうや、エンジン側とタイヤ側に羽がついててな、この羽がグルグル回ることで力が伝わるんや。』
『羽が自転車のチェーンの役割なんですよね。二つの羽はくっついてないですよね。どうやって伝えてるんですか?』
と私は質問をした。
『さやちゃん、すごいな!いい質問やで』
とぱんだ先生がまた褒めてくれた。
『ありがとうございます。』
自動車教習所に通っていてもずっと怒られてばかりだったから、褒めれるとうれしいな。
『羽が入ってる容器は、オイルで満たされとるんや。』
と、ぱんだ先生が言った。
『オイルですか?』
『そうそう、あんまり難しく考えんでええねん。質問するで!』
とぱんだ先生は、笹を手に取った。
『オイルがいっぱい入ってる容器の中で羽が回ります。中のオイルはどうなる?』
と、ぱんだ先生が聞いてきた。
『そりゃ、中のオイルもぐるぐる回りますよ。』
私は答えた。
『そうや、正解や。じゃあ、そのオイルが入ってる容器の中に別の羽が入ってます。どうなると思う?』
とぱんだ先生が質問をしてきた。
『う~ん、よくわからないです…一緒に回るのかな…』
私は上手く想像が出来なかった。
『なるほどな、じゃあ、さやちゃんは、かざぐるまってわかるか?』
ぱんだ先生が持っていた笹がキラン!と光るとかざぐるまに変わっていた。
『かざぐるまはわかりますよ。』
と私は答えた。
『このかざぐるまってどうやったら羽の部分が回る?』
とぱんだ先生が言った。
『風があたると回りますね。小さいころに、かざぐるまにふぅーふぅーって息を吹きかけて回して遊んでました。』
と私は答えた。
『そうやな。そしたら答えわかるんとちゃうか?』
『あ!!オイルの中の羽も回るんですね!』
と私は答えた。
『かざぐるまに風が当たって回るということは、オイルも風のような感じになって反対側の羽をまわすんだ!』
『そうそう、そんな感じや!』
『まとめると、エンジンが回るとエンジン側の羽が回って、中のオイルの流れで、タイヤ側のプロペラも回ってそれがタイヤに伝ってタイヤも回るってことや!』
とぱんだ先生が言った。
『なるほど!わかりました。初めて車が動く仕組みがわかりました。感動です。』
と私は言った。そして
『でも、こんなこと知って何の役に立つんですか?』
と、質問したとたん、ぱんだ先生の顔色がどんどん変わっていった。
『さやちゃん!どんどん疑問がわいてきて質問してきてるやん。めっちゃいいことやわ。いいことなんやけど、何の役に立つんって言い方はどうかと思うな。役に立たん事あると思うんか!!!!』
めっちゃ怒ってる!!
『すみませんでした。言い方が悪かったです。どのようなお役にお立ちにあそばせるのでございましょうか?』
と私は言った。するとぱんだ先生は
『しまった…おっほん!!』
と咳払いをして続きを話し始めた。